このブログで時折話題にしている標識鳥類ですが、先日上野不忍池で観察したオナガガモ雌とユリカモメ4個体に足環がついていました。その番号を撮影して山階鳥類研究所に送付したところ、記録の返信がありました。
オナガガモは2007年に千葉県で標識された個体で、2008年、2011-15年に不忍池で確認されている個体ということがわかりました。捕獲時は幼鳥とのことなので、今年で9歳ということがわかりました。
ユリカモメは青いプラスチックリング装着が3個体で、金属リングのみ装着が1個体。カラーリングの個体は2012年、2013年に東京都内で標識され、その後毎年都内で記録されています。
興味深いのが、金属リングのみの装着個体。このユリカモメは2001年に神奈川県で幼鳥時に標識され、2016年2月に不忍池で確認されているのみのようです。2002-2015年はどこに行っていたのでしょうか。ひょっとしたら、金属リングのみでは確認が難しくて、見逃されていただけかもしれません。それにしても、見た目にはどれも同じようにしか見えないユリカモメ成鳥でも、この個体は15歳とわかるのですから、すごいことです。
The black-headed gull in Tokyo, ringed in 2001 in Kanagawa pref.
すべての番号が読めなかったのですが、山階研究所から一部の確認でも検索でヒットする場合があるという話を以前に伺っており、今回もひとまず送付しました。個体特定ができて、ほっとしております。
標識の装着には賛否両論ありますが、野生生物を野生状態で調べられることはとても大事なことだと私は考えています。足環装着に我慢してもらうかわりに、私は標識個体を見つけたときには何とか番号を読み取って、その負担に報いる努力をしたいと思います。
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