2017年12月31日日曜日

よいお年を

Thank you very much indeed for your visiting my blog in 2017.
Have a good New Year's Eve

今年も多くの方々に当ブログへご訪問いただき、感謝致します。
どうぞよいお年を。

Asian Brown Flycatcher, in Kanagawa (September 2017)

備忘録:
2017年に観察できた日本産鳥類数(イアーリスト):273種
2017年最後のイヤーリストアップデートは12/26のアカハシハジロとなりました

2017年までに観察した日本産鳥類(ライフリスト):365種

日本に記録あり、海外での観察経験があるものを含めると426種でした。

日本で記録がなく、海外で観察したことのある鳥はカウントしていないのですが、今年はパナマへ行き、初めて見聞した鳥が多かったのも印象に残っています(中米そのものが初訪問でしたので、ほぼ全種が初見)。もう20年以上前になりますが、ケニアやカナダで出会った鳥もカウントしなくてはいけないと思いつつの記憶がもう曖昧なので難しいため、また訪問できる機会があることを期待しています。

2017年12月30日土曜日

若者たちが育っていく喜び

2017年は、自然を見つめる仕事に就くことを目標としたり、絵を描くことが好きな若者たちに会う機会の多い年でした。私のこれまでの経験をお伝えすると、嬉しい反応があり、とても充実をした一年でした。


「こういう失敗で、時間をロスしないでほしい」

「こういう準備をしておくと、あとあとスムーズに物事が進む」

などと短時間で要点を伝えなくてはいけないことが多かったので、ただでさえ五月蝿い私の話がもっとやかましいものであったと思いますが、それでも何か感じてくれたものがあったのか、後日お手紙をいただいたり、こんな絵を描きましたと送ってくれた人もいました。

年を重ねた人間の役割。それは、若者にとって、自分がどれだけ役に立てるかであると感じています。


今、プロのカメラマンとして活躍をしている若者がいます。彼がまだその道に行こうかを迷っているときに、彼の写真を見る機会がありました。もともとクオリティの高い写真でありましたが、雑誌に使ってもらいやすい写真の構図や、画面構成についての話をしていたところ、ある方さんから、

「ヒヨ吉さん、そんなに教えちゃっていいの?」

と心配されました。


私は、自分自身が多くの仕事を取ることよりも、自分の将来に期待を膨らませる若者が育っていくのを見る喜びのほうが上ですと応えると、非常に驚いた顔をされていたのが印象的でした。


そもそも、私が伝えられることは技術ではなくて “コツ” のようなものです。たいしたことでなく、おそらく彼等がこの先何らかの形で気がつくことですので、それは先に伝えて、ドンドン伸びていってほしいというのが、私の一番の願い。

出し惜しみをしてもまったく意味がありません。


私が34のときに実母が亡くなったのですが、母の年齢から自分の人生の逆算をして、自分のやりたいことを紙に書いたとき、死ぬまでにすべてを終えることが不可能なことが判明し愕然としましたが、ならば私は同じような期待を胸に進む若者たちのサポートをしようと決意しました。


イラストを描いたり、自然に関わる仕事を楽しくできる業界にするには、一人ががむしゃらに仕事をこなすだけでは、うまくはいきません。若者たちに託さなくてはいけません。


若者の質問や疑問に対し、キーポイントを教えない人生の先輩方が時々いますが、私にはこの行動が理解ができません。「自分自身でキーポイントに気がつくことが大事だからだ」と言う人もいますが、それはその人の一つの考え方にすぎません。


私に鳥の観察方法や絵の描き方を教えてくれた方々は、惜しみなく知識を教えてくださいました。そういう方々への感謝の気持ちは絶対に忘れないですし、生き方としてとても尊敬をしています。

また、そんな生き方をしたいと、鳥や絵を通して教わりました。


2018年も、私の健康とお財布が許す限り、若者へのサポートを進めていきたいと思います。


若者たちが自然や野鳥を紹介する業界にどんどん入ってくることを期待しています。そして、いつか彼等と一緒に仕事ができるためにも、自分のレベルを上げていくことに精進したいと考えています。


“ヒヨ吉さんと仕事がしたいです”

そんなことを若者からいつか言ってもらえるように、彼等に振り落とされないように、私自身も頑張らなくてはいけませんが、若者たちは私の想像以上に早い段階で活躍しているので、私の出る幕がなくなるのも近いかもしれません。


もちろん、それに焦りがないと言ったらウソになりますが、やはりワクワクするほうが上ですね。

若者が育っていく喜び。

これに勝るものは、人生で、なかなかないものです。

2017年12月29日金曜日

みなさんのお力を <バードリサーチ調査研究支援プロジェクト>

バードリサーチ調査研究支援プロジェクト
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/kifu.html
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/BR-aid_kifu.pdf

お金はご無理のない範囲で、お金はちょっと難しいという方はご自身のブログやFacebookやTwitterなどでのお知らせなど構いませんので、みなさまのご協力をよろしくお願い致します。

2017年12月25日月曜日

鳥を描く楽しみ <日本野鳥の会埼玉での講演会> Sketch of Eurasian Collared Dove

12/23の講演にはたくさんの方にご来場をいただき、ありがとうございました。鳥を描くことで特徴を覚えられることや、鳥の出現が少ない日でも楽しめることが増えるなど、普段の私のフィールドでの経験を主に話しました。

絵を描くというのは、まだハードルが高いようではありますが、絵を描く視点で野外での観察をすると楽しみも増えますので、ぜひ “眼の中でのスケッチ” から始めてみてください。

来ていただいた皆様、興味を持ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

Sketch of Eurasian Collared Dove in 2015

会場でシラコバトを観察したことがある方に挙手をお願いしたところ、ほぼ全員に近い数の方が手を挙げました。さすが、埼玉だと思いました!

2017年12月24日日曜日

野鳥観察のススメ

私の場合ですが、野鳥観察に出かけて図鑑のように横向きできれいに見えることはほとんどありません。全身が見えることも非常に少ないです。

以下の写真は、12/20-21日に狭山丘陵へ出かけたときに出会った鳥たちです。

背を向けて顔がなかなか見えないミヤマホオジロ

高い木の陰に止まるカシラダカ

薮の中から出てこないベニマシコ

葉っぱで顔だけ隠れてしまったルリビタキ

逆光で真っ黒けのモズ

カメラマンの方々は、よく見えると「いい鳥だ」といい、姿が見えにくい角度にいる鳥には「サービスが悪い」なんていいます。写真に収めることだけが目的になってしまうと、そういう感覚になるようです。

まず第一に、カメラマンは「撮ってもらいたいと思っている鳥はいない」ことをしっかり自覚したほうがいいと思います。絵を描くときも、描いてほしい鳥はいないと思ってスケッチをしています。しかし、カメラに比べてスケッチが鳥への悪影響が少ないと思う理由は、双眼鏡や望遠鏡での観察はカメラに比べて基本的には距離が保てることが挙げられます。

撮影に向かない状況の場合は、さっさと撮影を諦めて観察をしてはいかがでしょうか。どんな出会いでも 鳥に会えたことそのものを “楽しい” と感じるのが観察の良い点です。しかも様々な角度での観察経験を積んでいくことで識別点もしっかり覚えられますし、次の行動が分かってくるようになり、自分の撮りたい画像でどのタイミングでシャッターを押せば良いかも見えてきます。

ぜひカメラと一緒に双眼鏡や望遠鏡も。

2017年12月17日日曜日

『鳥を描く楽しみ』講演会のお知らせ

12/23、日本野鳥の会埼玉にて、以下の講演会を行うことになりました。
ぜひお越し下さい。

日本野鳥の会埼玉
プログラム:
第1部 13:30~14:45 会員たちの『映像で振り返るこの1年』他。
第2部 15:00~16:30 講演 画家 神戸宇孝氏 『鳥を描く楽しみ』。 

日時:12月23日(土・祝)午後1時開場
会場:さいたま市民会館うらわ503・505集会室。JR浦和駅西口から徒歩7分。

さいたま市民会館うらわ
http://www.saitama-culture.jp/urawa/

日本野鳥の会埼玉でのご案内
http://www.wbsj-saitama.org/whatsnew/info_20171208.html

初の船上フィールドスケッチ会

16日、飛んでいる鳥にフォーカスしたスケッチ会を初めて開催しました。

↓フィールドスケッチ会ブログでの報告はこちら
http://fieldsketchbook.blogspot.jp/2017/12/1216.html

東京湾フェリーに乗船。

船をついてくる多くのカモメ類を期待していたのですが、この日は数羽のユリカモメと1羽オオセグロカモメのみでしたが、これらの鳥たちは見るべきポイントはしっかり教えてくれました。

金谷でトビの飛翔をスケッチして、海鮮料理を港で楽しんだ後、復路は12:25発に乗船。

往路よりも波が高くなり、この後の13時以降は欠航でした。

たくさんのトビが風に乗って同じコースを飛行しているシーンが多く、その都度鳥の形を確認して少しずつ複合させてスケッチをしました。猛禽類では同じ飛翔形を繰り返して観察できる機会は少ないので今回は貴重な経験となりました。

2017年12月15日金曜日

Eastern Buzzard in typical habitat

野鳥の写真で、典型的な生息環境と実際にいる姿を同時に捉えるのは難しいですが、今回ノスリでそういう写真が撮れました。

Eastern Buzzard in typical habitat

2017年12月14日木曜日

限定100台!

小型の4駆、Fiat Panda4x4が、限定100台でまた販売されていました!

Fiat Panda4x4
http://www.fiat-auto.co.jp/limited/panda-4x4/

4m未満でフェリーが安く乗れますし、6MTなんておしゃれな設定です。欲しくなっちゃいます。でも、私は今の車を乗り潰すことにしているので、今回も見送りです。

限定100台ですから、欲しい方はお早めに!


Long-tailed Rosefinch 山陰の鳥たち

From  9th to11th December, I visited 2 Lagoons Shinjiko and Naka-umi  in the San'in Region, where is the southwest of Japan. It takes about 1.5 hours to Yonago or Izumo airport from Tokyo Haneda. These were some hot-spots of winter birds in this area to enjoy ducks, geese, swans, birds of prey and many kind of small birds like a  Long-tailed Rosefinch, Goldcrest for example. I met 82 species in this trip. Wow!

山陰へ行ってきました。有名な探鳥地で野鳥観察をしただけなのですが、3日間で82種類に会えるのは環境が豊かな証拠です。また一つ、年に一度は訪問したい地域が増えました。バードウォッチングを始めると体がいくつあっても足りなくなります。

 Long-tailed Rosefinch

Shelducks in Yonago Waterbirds Sanctuary

Please visit Yonago Waterbirds Sanctuary to check the birds in the San'in Region. The guide in the watching centre knows well about bird information.

Yonago Waterbirds Sanctuary (Sorry, Japanese Text only)
http://www.yonago-mizutori.com/

Goldcrest

I could meet more birds in rice field, too.

Rook

Merlin. More raptors come in January.

Greater White-fronted Geese

Eurasian Sparrowhawk

Swans, Whooper and Tundra

Swans, feeding in rice field

I also stopped at some dams in the mountain to see Mandarin Duck.

Mandarin Ducks

2017年12月12日火曜日

Visiting Waterfowl Spots カモ探訪

On 5th December, I went with a young birder to several ponds and rivers where ducks are likely to come, the places I had never visited before. It was fantastic time to think about the reason for ducks to come, habitat, feeding, for example. It makes me and her happy hours to know birds more.

これまでなんとなく機会を逃して訪問していなかった場所へ、バードウォッチング仲間と一緒に行ってきました。最近、関東の池でカモが一カ所にたくさんいる光景が少なくなったような気がしていますが、久しぶりに多くのカモがまとまって休む光景を見ることができました。うまく言葉にできないのですが、冬にこういう情景に会うとなぜか私はほっとします。

人が近寄っても岸に積極的に寄ってくるオナガガモがいなかったのが印象的でした。餌をやっている人の気配がない中で、これだけの数が集まっているのはなぜなのか、謎も深まりました。周辺の田んぼは乾田ですし、近くの川もそんなに川幅が広くはありません。地図とにらめっこしながら、この数を支える採餌場所がどこなのか、突き止めるのも楽しそうです。

Wonderful number of Ducks (mainly Pintail and Pochard)

Mallard

別の場所ではコハクチョウが16羽を観察。止水で観ることが多いハクチョウ類ですが、速い流れに逆らって泳ぐ姿を見るのは初めてで、なんだか不思議な感じがしました。しかし、ある一面だけを見てその鳥の印象を決めてしまっていたのは自分です。いろいろな“その鳥の姿”に出会うことが大事だと感じました。

Tundra Swans swimming in fast stream

2017年12月7日木曜日

A Merlin 換羽中のヨシガモ雄飛来

On 3rd December, I went out for a change of pace after working. I met an adult male Merlin, he was the first bird for me in 2017 winter. He dived 2 times into the pipits and wagtails to hunt, however he missed.

Merlin, flew away for next target.

I was very interested in the difference of reaction about these small birds and lapwings for this birds of prey. The lapwings did not care about him at all!

Lapwings  (89individuals in one flock)

Dusky Thrush

Falcated Duck, molting

Gadwalls with Mallard

仕事の後にちょっとお散歩にでかけました。前回の訪問で1羽だけだったヨシガモは3羽(雌2、雄1)に増えていました。ヨシガモの雄は換羽中で、これからの変化のチェックができることを期待しています。オカヨシガモとヨシガモが並んで見られる機会もあるので、これからカモ類についてしっかり観ていきたいと思います。

とある場所ではヨシガモ雄は換羽がほぼ終了している個体もいて、これが個体による差なのか、飛来時期の違いなのか、それとも栄養条件の影響なのか、想像はしてみるものの、やはり本当の答えは彼等に聞いてみないとわからないことでしょう。

鳥の生活に想いを馳せながら、その答えの一端でも知ることができるよう、観察を続けていきたいと思います。

2017年12月2日土曜日

自然界に無駄なものはない Karuizawa

1st December, I walked around Karuizawa in Nagano with a birding friend of mine to check winter birds. Unfortunately there was not so many birds at that time.

About Karuizawa
https://www.japan-guide.com/e/e6030.html

軽井沢周辺の鳥たちに会いたくて、Nさんにご案内いただいて廻りました。鳥は少なかったのですが、上空を通過するツミをきちんと見つけられるエナガたちの凄さに驚いたり、鳥の存在を示す証拠が見つかったりして楽しかったです。

シラカンバ Japanese White Birch

ノスリ Eastern Buzzard

ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus Thunb. var. orbiculatus


このツグミは少し調子がよくないようでした。Dusky thrush

林道に積もった枯れ葉をツグミやカケス、シジュウカラが、必死にめくっては何かを食べていたので、彼等が飛び去った後にその場を確認すると、地面の上にはたくさんの“干しミズキの実”が落ちていました。これを食べていたようです。



落ちた実にも、ちゃんと役割があることを再認識。自然界には無駄がないとよく言われますが、まさにそうです。

人の目には見えにくいけれど、一見生きものがいないように感じる環境の中にも命のつながりがあるのだと思います。どんな生きもののつながりがあり、どんな種類の鳥が来る可能性があるのか。その場にはいなくても想像を働かせられるようになることが、私の目標です。