2023年3月13日月曜日

標識鳥に対する世代間ギャップ

この冬、フィールドを歩いていて耳に入ってきたご年配のアマチュア野鳥カメラマンたちの会話です。

「最近、ここの鳥に足環がよく付いてて、撮ってもしょうがないよね」

彼らにとって、撮影対象に足環が付いていることは好ましくないようです。しかし彼らは、近くを通る方々に自分の撮影した野鳥の繁殖地などについて解説をするときに標識調査から解明された内容も楽しそうに話されていました。歳を重ねた方ほど、この傾向が見られるように感じています。


一方で、若い世代のバードウォッチャーは足環のついた野鳥を見つけると、なるべく多方面から撮影してその番号を解明しようと努力をする人が多いように感じます。足環を装着することは、鳥たちにそれなりの負担を強いていると予想はしていますが、それに報いるようにと懸命に番号を追い、山階鳥類研究所に報告をしてくださる彼らの姿には、本当に頭が下がります。

目の前にいる命の存在と、その出会いを大切にしている若者たちに感謝でいっぱいです。


野鳥の生息環境を保全をしていく上で、繁殖地や越冬地、中継地のつながりが解明されることは重要ですが、それを具体的に調べるのはとても大変なことです。

近年は発信機を使った調査も進み、GPSによる精度の高い記録ができますが、機材の関係で装着できる野鳥の種や数も限られます。足環による標識調査は、発信機を使った手法に比べれば多種にわたって安価ででき、かつ基礎的なデータ蓄積もできる大変有効な手法です。

以上のような理由から、標識個体を見つけたら、その番号を可能な範囲で記録(できれば撮影)して山階鳥類研究所へ報告をよろしくお願いします。

↓山階鳥類研究所:足環など標識のついた鳥を見つけたら


山階鳥類研究所が作成したPDFも大変わかりやすいので、以下のアドレスに示したものも、ぜひご覧ください。

↓足環からわかる鳥たちのひみつ 鳥類標識調査の目的と成果

↓渡り鳥の不思議調べてみよう!鳥類標識調査の世界

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