1933年11月の八丈島での記録以降、確実な日本国内としては2例目になる貴重な記録が発表されました。私にとっては衝撃の事実です。コブハクチョウの生態についても詳しく書かれており、その意味でとても参考になる論文です。
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日本鳥学会 2023
モンゴル国で標識された野生のコブハクチョウCygnus olor の石川県における観察記録
富沢直浩, 中村正男, Nyambayar BATBAYAR, Tseveenmyadag NATSAGDORJ, Otgonbayar TSEND, Park JIN-YOUNG, Kang SEUNG-GU
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjo/72/2/72_261/_article/-char/ja
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日本での記録の前に別の国で越冬が確認されていて、越冬地を日本へ変えたのも興味深いことです。
私がこれまで観察したことのあるコブハクチョウで移入個体(あるいは移入個体が繁殖した個体)と思っていた個体も、場所や状況によっては野生個体が0ではなかった可能性もあることになります。今後は行動などをしっかり観察して、野生個体の可能性について検証していく必要が出てきましたし、現在日本で繁殖する外来種扱いになっているコブハクチョウの個体数管理や野生化対策もしっかり進めていかなくてはなりません。
バードリサーチ 国内と東アジアの分布
https://www.bird-research.jp/1_katsudo/kobuhaku/bunpu.html
標識個体の報告と標識調査の重要性を教えてくれる貴重な記録だと感じました。
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