「ヒヨ吉さんのブログをよく見ているのだけれど、もっと鳥を観察した場所の情報を詳細に載せて、我々に野鳥観察の楽しみを提供するべきではないか。野鳥は君だけのものではないのだから」
という趣旨のことを言われました。
その場でも丁寧に説明をしたのですが、野鳥の生息地を具体的に載せることはあります。行政が野鳥観察を観光資源の一つとして捉えて観光客を誘致をしていたり、地域の野鳥保護に携わる団体が情報を積極的に発信している地域は掲載をしています。
その一方で地名の掲載を控えることもあります。
生息地に関する情報を無条件に広く伝えると、周辺の住民の方や地域の自然環境に大きな影響を与えてしまうことがあるというのが、その理由です。
そんな難しいことではなく、自分がされたら嫌なことはしない、という判断基準で良いとお勧めをしています。
例えば、藪に鳥が隠れて出てこないときは、ちょっと風邪をこじらせて家の中に居たい自分を思い出してみてください。
誰でも「またの機会を待とうか」という気持ちになります。「ちょっとくらい駐車してもいいか」と思ったら、自宅前に勝手に止められることを想像してみてください。鳥のいる方向に住宅があったら、自分の家の方向に双眼鏡やカメラを向けられたら、どんな気持ちかを考えてみれば、自ずと判断はできると思います。
「そんなことを呑気なことでは、鳥との出会いのチャンスがどんどん逃げていく」ということをご年配の方に言われたこともありますが、その場にいるからと言って、その鳥に必ず会えるものでもありません。
ケアシノスリが出ているその場で、私の見ていた方向が180度違って逃したこともありますし、北海道ではちょっとお手洗いに行っている間にクマゲラが出たこともあります。
こんな経験があると、鳥との出会いは運だとつくづく思います。
それならば、観察したい鳥の好む環境を学び、その鳥がたくさんいる地域に足しげく通うほうが効率が良いものです。
このプロセスは結構楽しいものです。それがちょっと手間だな…と思う方は、まずぜひ野鳥の会の支部の探鳥会へお出かけください。きっと鳥と出会う以外にも、たくさんの喜びがあると思います。
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