コクガンを群れで観察したくて北海道へ行ってきました。沖合に大きな鳥の姿が2つあったので確認すると、なんとハシジロアビでした。
ハシジロアビ White-billed Diver
荷物の軽量化でコンパクトデジカメしか持っていきせんでしたが、望遠鏡での観察では黄白色の嘴をはっきりと確認できました。体が大きいせいか、一つ一つの動きもゆっくりに感じるほど。嘴の根元が少し黒くなっていて、夏羽への生え変わりが始まっているようにも見えました。
カモの仲間もたくさん会いました。
シノリガモ Harlequin Duck
ホオジロガモ Common Goldeneye
コクガン Brant
実は今回北海道へ行った第一の目的は、自然環境に興味を持ち始めた北海道の若者を今回の宿泊先のご主人に紹介すること。自然に身を置く楽しさを北海道へ頻繁に行かれない私では伝えきれないので、そのことをお願いしに伺いました。
一緒に観察ポイントを回ったその若者2名に自然観察の極意に限らず、人生の上で様々なことを丁寧に伝えてくださっている様子を見て、この仲間はこれからどんな楽しいことを前に進めてくれるのだろうとワクワクしながら帰ってきました。
オジロワシ White-tailed Eagle
知識は本を読むことで蓄積できる部分はありますが、やはり経験は自分で積極的に体を動かしていかないと得られないものだという感覚が私にはあります。
カモメ Common Gull
どんな人に会うかというのも人生の醍醐味ですが、「初めの一歩」で、その道のエキスパートに会うことは、その後の流れがとてもスムーズになるので、それを若者が望めば、そのサポートは人生の先輩としてお手伝いをしていきたいことの一つです。自分のできる範囲で可能な限り、やっていきたいと思います。
ハジロカイツブリ Black-necked Grebe
地元の観察会にも参加し、若者2人は新鮮な発見があったようです。私も以前お邪魔したことのある観察会グループで、今回一緒になった方々の中には、私のことを覚えていてくださった方がいて、そのことが何より嬉しかったです。
観察できた野鳥との出会いはハシジロアビだけではなく、20日早朝の観察は忘れられないものとなりました。20mほどの距離で約40分、クマゲラに会えたのです。カメラを持っていなかったので、観察に集中。木の幹に寄り添って身を隠しながら観察したのは採餌に夢中な雄で、赤い頭部が印象的でした。木をつつく音が「コツコツ」ではなく、「ゴッ、ゴッ」という間隔のある大きな鈍い音であることが、クマゲラの大きさを物語っていました。
寒さの中で採餌を続けるクマゲラを邪魔してはいけないので、来たルートをそのまま戻って宿に帰りましたが、採餌で跳ね除けていた木屑の大きさが印象に残っていたので、夕方にもう一度その場所に行きました。木の根元には、いかにクマゲラが嘴の強い鳥であるかを実感できるものがたくさんありました。
クマゲラの残した木屑
今回観察できた鳥は全部で56種。そのうち今年になって初めて見たのは20種もいました。もう北へ向かってしまっていると思っていたオオワシ(若い個体)も観察できましたし、ワシカモメとシロカモメを同日同所確認という北海道ならではの体験もできました。
こういう旅を続けらえるように、これからも心も体もフットワーク軽くいきたいと思っています。
持っていった防寒具の出番がないほどに暖かかった今回の訪問でしたが、凍った滝はとても綺麗でした。
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