10月15日にセンサス調査を終えて家に帰る途中、ざっと数えて100羽はいるであろう大きなヒヨドリの群れが上空を通過する風景に出会いました。その日のお昼の調査まで自宅の窓を開けていると、次々と小さな群れが渡っていくので、メモしてみると、2時間で500羽を超えました。しかし渡る方角がすべて西から東だったので、秋の渡りを思うと、とても不思議な光景でした。
ヒヨドリの春の渡り(2018年5月 飛島にて撮影)
そもそも、この大きな群れは一体どこから来たのだろう? そんなことを不思議に思ったので、16日午前中1時間だけですが、いつものタカ渡り観察ポイントへヒヨドリの動きを見に行ってきました。渡りとしての通過が認識できるヒヨドリの総個体数は173羽で、予想通り一番個体数が多いのは、もちろん南や西方面への飛去でした。
おもしろいのは東や北に向かって飛んでいく個体や群れがやはり存在したことです。10時台の出現方向と飛去方向の個体数記録を書き出すと、以下のような結果となりました。
北東から西 8
北から南 20
東から西 119
西から東 15
南東から北 11
観察ポイントから自宅はほぼ真東なので下段の2つの「秋の渡りとしてはちょっと飛去方向の違う」移動個体の動きを確認できたのは嬉しかったのです。しかし、15日の観察個体数に比べてとても少ないので、今回の観察ポイント以外の場所での状況確認が今後の課題です。場所を探すのは大変そうですが、まずは自分が「渡りをするヒヨドリ」になったつもりで、環境をみてみようと思います。
イラストレーター仲間の東郷なりささんがヒヨドリの絵本を作られたとき、写真はたくさん資料が集まるのに対し、絵本の文章や行動を表現するイラストの裏付けとなる科学的な基礎データが非常に少なくて大変だったというお話をお聞きしました。こういう観察の積み重ねていくことで謎の解明に繋がることを目指し、地道に観察を続けていきたいと思います。
東郷なりささんのブログ
19 January 2017 ヒヨドリ 旅立つ 「きょうは たびびより」
http://narisatogo.blogspot.com/2017/01/blog-post_19.html
身近な鳥の基本生態観察の重要性を感じる今日この頃です。
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