タカの渡り確認をしてきた17日、ついでに水辺まで足を伸ばしました。そこで先日某所でコモンシギという珍しいシギを見てきたという方がいらっしゃって、ご覧になった様子を仲間たちと話されていました。
見ると、グループは案内役の方とそのご友人(鳥の観察は初心者のようでした)で、案内役の方のカメラは少し使い込んだ望遠レンズを装着し、普段から野鳥撮影を楽しまれているようでした。その話の合間に、頭部の縞模様がまだ残っている成鳥とほぼ同じ大きさまで成長した今年生まれのカイツブリが目の前に浮かんできたときに、
「これは何?ひょっとして珍鳥?カイツブリではなさそう!」
と興奮されていました。私に種名を聞いてきたので、それがカイツブリであることはお伝えしましたが、私としては珍しいシギの観察経験があって、カイツブリの若い鳥の観察経験がないというのは、少々違和感がありました。
また、目の前には双眼鏡で見れば様々な鳥が集っていましたが、そのグループは誰も双眼鏡を持っていないため、私がお伝えした種類以外はわからないようでしたし、その場にいる種類のほとんどを把握されていない印象でした。
今回、私は自分の観察に集中したかったので特にこちらからそれ以上の話はしませんでしたが、グループの皆さんはよく聞き取れるような声の大きさだったのでコチドリとイカルチドリも見分けていないことや、オジロトウネンやシロチドリは見つけた様子はないことがわかりました。
珍しい鳥や観察の難しい鳥に会いに行くのが楽しいことは、私もそういう時期を経て現在に至りますので理解できます。しかし、まずは身近な鳥や個体数の多い野鳥たちを観察して基礎をしっかりすることは大切ではないでしょうか。
そんなことを思っていたら、私が尊敬するMさんも同じようなことを書かれていました。野鳥観察はやはりスズメとカラスから。まさにその通りだと思います。
ネットで詳しい飛来場所が瞬時に容易く入手できる世の中になった今、珍しい鳥を見た経験と一般種の識別技量とのバランスの差はどんどん広がっていると感じます。図鑑の携帯人数の少なさとも大きな関係があると思いますし、ご年配になればなるほど顕著になる傾向があるように思っています。
一方、若者はきちんと知識を得るために努力を惜しまないという姿勢がありますし、図鑑を持ち歩いている人が結構います。観ることの重要性と経験の蓄積のバランスが、しっかりしています。
これからの自然環境を見つめるのも若者の世代ですから、こちらに期待するのが良さそうです。
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