2019年5月21日火曜日

IPBESが生物多様性の報告書    「100万種が絶滅危機」

地球上でこんなにも多くの鳥たちが絶滅の危機にあること。深刻に受け止めています。人間が、できることからでもいいので、取り組む必要性を感じています。

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5/6(月) 19:31 毎日新聞配信
「100万種が絶滅危機」IPBESが生物多様性の報告書

世界中の専門家が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は6日、陸地の75%が人間活動で大幅改変され、約100万種の動植物が絶滅危機にあるとの報告書を公表した。現在の絶滅速度は、過去1000万年間の平均に比べて10~100倍以上で、さらに加速しているという。

 同組織は生物多様性や自然の恵みなどを科学的に評価しており、初めて地球規模の現状や将来予測をまとめた。

 報告書によると人間活動で世界の海域の66%が影響を受け、湿地の85%は消滅、16世紀以降に少なくとも680種の脊椎(せきつい)動物が絶滅した。過去40年で絶滅リスクは上昇し、現在は約25%の動植物が危機に直面。両生類40%以上▽造礁サンゴや海生哺乳類約33%▽昆虫約10%――で絶滅可能性がある。

 プラスチックごみの海洋汚染は1980年以降10倍にもなり、少なくとも267種が悪影響を受ける。そうした生物はウミガメの86%、海鳥の44%、海生哺乳類では43%にも上る。

 人間の生活への悪影響も深刻で、ミツバチなど花粉媒介生物の減少で最大年5770億ドル相当の穀物生産が失われる恐れがある。生態系やサンゴ礁の劣化で沿岸地域の防災機能が低下し、1億~3億人が洪水やハリケーンの被害を受けるリスクが高まっている。

 社会変革を伴う対策がなければ、生態系や自然からの恵みが減少する傾向は2050年以降も続くと予測。地球温暖化も悪影響の主な原因の一つで、温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づき産業革命前からの気温上昇を1.5~2度に抑えても、ほとんどの陸上生息域は大幅縮小するという。

 10年に名古屋市であった国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では生態系保全のための愛知目標が採択されたが、20の個別目標のほとんどは期限の来年までに達成できない見込みだ。IPBESのロバート・ワトソン議長は「人間の経済や食料安全保障、健康などを支える(生物多様性という)基盤を我々自身がむしばんでいる。あらゆる面で対策をスタートさせなければならない」と指摘する。【大場あい】

 ◇生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)

 生物多様性や生態系サービスの現状や変化を科学的に評価し、政策提言する政府間組織。国連環境計画の主導で2012年に設立され、132カ国が参加する。これまでに花粉媒介生物と食料生産に関する報告書などを公表。今回の地球規模報告書は、50カ国145人の専門家が執筆を担当した。地球温暖化問題では、1988年に設立された「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が同様の役割を担っている。
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