2019年1月28日月曜日

コクガン標識調査の経緯と最新情報   @谷津干潟観察センター

1/27、谷津干潟観察センターで、コクガン追跡調査をされている池内俊雄さん(雁の里親友の会)と澤祐介さん(バードライフ・インターナショナル東京)の講演会があり、興味深い話をたくさん聞いてきました。

雁の里親友の会
http://shibalabo.eco.coocan.jp/top/index.htm
バードライフ・インターナショナル東京
https://tokyo.birdlife.org/

バードライフ・インターナショナル(英語のみ)
https://www.birdlife.org/


2016年にレナ川で標識されがアメリカで確認されたことがきっかけで、アメリカ、ロシア、中国、日本の共同での調査が開始されたことのほか、谷津干潟で講演をする意味などを、本当にわかりやすく解説いただき、勉強になりました。捕獲に当たっては細心の注意を払っていることはもちろん、標識をガンに装着することで負担をかけていることへの心遣いもお聞きすることができました。

「人間という生き物は、雁によって生かされている」は、とてもいいお話でした。もしこの話の詳細を知りたい方は、ぜひ次回のコクガン調査の報告会にご参加ください。

今後もコクガンの調査については継続していくそうです。それにはお金も時間もかかることですが、池内さんは
「今回の講演を多くの人に伝えてほしい。自分たちのやっている調査に味方がたくさんいることだけでも、かけがえのないものです」
という謙虚な言葉に、心を打たれました。


ハクガン、シジュウカラガンが日本の空にいま復活しているのは、今回講演をされた池内俊雄さんをはじめ、雁を保護する会、八木山動物園の方々、そしてロシアの研究者(ニコライ・ゲラシモフ博士、ユーリー・ゲラシモフ氏)としっかりタッグを組んで、遡ること1993年からプロジェクトを進めて来られたからこそです。比較的数の多いオオヒシクイやマガンについても、1984年からの共同調査で様々な知見が得られてきました。もし彼らの尽力がいなければ、今でも日本のガンについて全くわかっていない可能性が十分にあると私は思っています。

これからもガンの調査や研究について、このブログでも紹介をしていきたいと思います。まずはこの講演会でも発表された野付半島での標識個体の追跡調査の記事がありましたので、以下に紹介します。

以下、新聞記事より抜粋

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北海道新聞 01/26 05:00
コクガン 野付から北朝鮮へ 渡りルートの一部解明

追跡調査の結果を発表する共同調査グループの澤祐介代表
コクガン 野付から北朝鮮へ 渡りルートの一部解明
 【根室、別海】秋の渡りで野付湾に飛来する国の天然記念物、コクガン約9千羽の一部が北朝鮮北東部の端川(タンチョン)市に渡っていることを、日米中3カ国の水鳥の研究者が突き止めた。25日に根室市内で発表した。謎の多い渡りの一部が解明された。

 一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京や雁(がん)の里親友の会(宮城県)などの研究者でつくる共同調査グループが昨年10、11月、根室管内別海町に面した野付湾で12羽に発信器を装着。発信器による追跡で、11月9日に端川市に飛来したことがわかったほか、別の個体が宮城県気仙沼市や牡鹿半島など国内の主要な越冬地に渡ったことが確認された。
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