動物写真家 秋山知伸さんが引率する2018年より始まったツアーに参加しました。8月の陽射しは強く厳しいものでしたが、今回もキャンプ地では夜に霜が降りたり、早朝に山々に雪が積もっていたりと寒さにも震える日もありました。
I participated again this year in the volunteer tour “Living with Snow Leopards”, led by wildlife photographer Tomonobu Akiyama, which began in 2018.
↓秋山知伸 AkiyamaTomonobu 野生動物写真家 トラベルライター
https://noth.jp/instructor/akiyama/
↓ボランティアツアー ユキヒョウと現地の生活を守る環境保全ツアー(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=lamk9cmeTQY
私は今回で4回目の参加で、現地の方々の財産である家畜(主にヤギやヒツジ)をユキヒョウやオオカミなどの肉食獣襲撃から守るための家畜小屋を頑丈にする作業をします。作業場所付近でテント泊、トイレは周囲を覆って穴を掘っただけのものを作ります。参加者は臨機応変に全てを楽しんでいます。
作業は、地元の方々と石運びをし、セメントをこね、屋根に使う金属パイプをとても重い金網を設置したりと多岐にわたります。空気の薄い標高4200-4700m(訪問した最高地点は、なんと5360m!)での活動は、高山病になりやすく、それぞれに大変でしたが、若者を基軸とした10-50代という幅広い年齢で構成されたメンバーは、体力などの違いから自分のできることをその場で判断し、率先して行動をしていきます。
Working alongside local residents – carrying stones, mixing cement, and installing extremely heavy wire mesh – proved challenging for us all at altitudes of 4200-4700m. Comprising members aged 10 to 50, we were the group assessed what each could do on the spot and took the initiative to act.
teri
仕上がった小屋にヤギとヒツジを入ったことを確認できたら、完成です。
標高4300mほどなので、高山病による頭痛や慣れない環境での疲れの蓄積もありましたが、完成後に小屋のオーナーとなる方のお宅へお邪魔して美味しいお茶をご馳走になったり、感謝の言葉をいただいたことで、全てが気持ちの良い思い出に変化していくのを感じました。
木が一本も生えていない風景が続く山々ですが、ブルーシープなどの草食獣が生息し、ユキヒョウやオオカミといった肉食獣がこの風景の中にいるのです。実際には見られなくても、
「そこには、どこかに、確実に、いる」
と感じられ、
「“会える” という希望を持って探せること」
そのものが、私には嬉しく、そして楽しいです。
こんなふうに思えるのは、私が子供の頃から自然の楽しみ方を教えてくださった多くの方々のおかげだと思っています。「写真に撮れない」ことや、「小さくしか写らない」ということは、私には関係ありません。
Lammergeier
もちろん、移動やハイキングの途中で休憩すると、山々の上空にはヒマラヤハゲワシやヒゲワシ、イヌワシが舞う姿に感激し、
Black-necked Cranes
湿原では世界に16,000羽と言われるオグロヅル(のうちの6-7ペア)に会い、
Horned Lark
キャンプの周辺ではハマヒバリやヤツガシラが採餌をし、
6 Eurasian Hoopoes in one photo!
Hume's Ground-tit in Tiso kar
見たいと思っていたヒメサバクガラスもヤクの糞に潜む虫を探す様子を観察でき、感激でした。言葉と写真だけでは伝えきれない、素晴しい風景と生き物たちが棲んでいるラダックにいられる、そのことが私にとってはかけがえのないことです。
約2週間は、私を含め参加者は男女11名にとって、あっという間でした。
最後になりましたが、リーダーの秋山氏と現地のラダック・スタッフの献身的なサポートに、心から感謝をいたします。